
近年、健康への関心が高い方々のあいだで、“腸活”が注目されています。
その中心となる食生活では、乳酸菌を積極的に摂取することがポイントとなります。
本記事で乳酸菌の役割と効率的な取り入れ方を理解すれば、腸活の効果を一層実感できるはずです。
まずは腸活の概要を押さえたうえで、乳酸菌の活用方法について見ていきましょう。
腸活をひと言でいえば、生活習慣を工夫して腸内環境を整える活動のことです。
注目されている背景には、腸の健康が心の健康にもつながることが関係しています。
実は腸は、神経や血流を通じて脳とつながっており、相互に影響し合う関係にあります。
つまり腸活は、心身ともに快適な日常生活を送ることに直結する活動となるのです。
腸活と聞くと、“食事を工夫すること”と思うかもしれません。
しかし実際のところは、腸内の環境を整え、腸のはたらきを正常に保つ活動全般のことで、一般的には以下のようなものが腸活といわれています。
腸活の種類
腸活では、食品添加物の摂取を控えます。
食品添加物には、乳化剤や防腐剤といったさまざまな化学物質が含まれており、腸内細菌の集合体である“腸内フローラ”を乱す原因といわれています。
食品添加物が含まれている食品で身近にあるものは、コンビニやスーパーなどで販売されているお惣菜やパン、お菓子です。
手軽に購入できるため、つい手を伸ばしてしまうこともあるかもしれませんが、腸活中での食べ過ぎは禁物です。
食品添加物にくわえ、砂糖や人工甘味料を摂り過ぎないことも大切です。
とりわけ、砂糖は血糖値を上昇させ、自律神経の調整機能にまで影響を及ぼします。
腸内の悪玉菌のエサにもなるため、摂取し過ぎないようにしましょう。
また、人工甘味料も腸内フローラのバランスを乱す原因となります。
カロリーゼロを謳う食品の多くには、人工甘味料が含まれているので、こちらも摂取量には注意しなければなりません。
甘いものを摂取したいときは、上白糖をきび糖や黒糖といった未精製の砂糖に、人工甘味料をステビアといった天然甘味料に置き換えるのがおすすめです。
また、甘みを楽しみたい場合は、はちみつを取り入れるのも一つの方法です。
はちみつは自然由来の甘味料で、少量でもしっかりと甘みを感じやすいため、結果的に使う量を抑えやすい特徴があります。
ヨーグルトやトースト、飲み物などに砂糖の代わりとして使うことで、日常の甘味を無理なく見直すことができます。
腸活中の食事では、食品添加物や砂糖などの摂取を抑えたうえで、発酵食品や食物繊維を含んだ食品を積極的に取り入れましょう。
とりわけ発酵食品は、普段の食生活にも取り入れやすいものが多くあります。
ヨーグルトやキムチ、味噌には、善玉菌のエサとなる乳酸菌が豊富に含まれているので、腸内環境を整えるのに適した食材です。
また、きのこや海藻、穀類などに含まれる食物繊維は善玉菌のエサとなるほか、腸内を酸性にして悪玉菌の繁殖を防ぐ作用があります。
これら を 普段の食生活に取り入れることで、より効果的な腸活が実現可能です。
腸活中は、飲酒量にも注意を払いましょう。
アルコールの過剰摂取は、腸内細菌のはたらきを弱めて悪玉菌を増やしたり、腸内の粘膜を傷つけたりする原因となりえます。
腸活中にお酒を飲むときは、ご自身の適量を守ることに加えて、飲み方を工夫して腸への負担を抑えることが大切です。
たとえば、お酒とあわせて水を飲むと、腸の負担を軽減できます。
また、翌日のリカバリーとして、食物繊維と水分をしっかりと摂取することで、腸の回復を促せます。
日常生活でストレスを溜めないことも、腸活の一環です。
心と腸は相互に影響し合っており、ストレスがかかると免疫力が低下して、腸内環境が乱れがちになります。
そのため、避けられるストレスは可能な限り避け、心身ともにリラックスできる方法を身につけることが大切です。
腹式呼吸や瞑想は、ご自宅でも手軽にできるうえに効果的なリラックス方法なので、腸活の一環として取り入れてみるのはいかがでしょうか。
より効果的な腸活を行うために、適度な運動も心がけましょう。
運動は自律神経を整え、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促して便通を良くするほか、腸内細菌のバランスを整える効果があります。
また、近年行われた腸内環境に関する研究では、適度な運動は腸内の善玉菌のエサとなる乳酸菌を増やすとも報告されています。
ウォーキングやヨガといった軽い運動でも十分な効果が得られるので、腸活を行う方はぜひ取り入れてみてください。
リズムの整った規則正しい生活を送ることも、腸活で心がけたいことの一つです。
遅い時間の食事や夜更かしは、腸内環境を乱す大きな原因となります。
効果的な腸活を行いたい方は、21時ごろまでに夕食を済ませ、睡眠のゴールデンタイムとよばれる22~2時までのあいだは熟睡できるよう努めましょう。
快い日常生活を支える腸活には、以下のような身体にうれしい6つのメリットがあります。
腸活のメリット
腸活を行うと、腸内細菌のバランスが良好に保たれ、身体の免疫力が向上します。
腸は、全身の免疫細胞の約7割が集合する臓器で、免疫機能の中枢を司っています。
腸内細菌は免疫細胞と強く結びついており、そのバランスが正常に保たれていると、免疫機能も正常に保たれ、病気にかかりにくくなるわけです。
腸内環境を整えることは、生活習慣病の予防にもつながります。
腸活では、身体にやさしい食生活や、適度な運動を習慣化します。
食品添加物や人工甘味料、アルコールを控えて乳酸菌や食物繊維を意識的に摂りつづけることで、高血圧や糖尿病のリスクを抑えられるのです。
また、身体を動かすことで代謝が活発になるため、肥満の予防にもなります。
腸活のメリットには、お通じの改善も挙げられます。
腸活を通じて、食物繊維の豊富な食事や適度な運動を心がけると、腸のはたらきが活発化し、便秘や下痢を改善できます。
腸活は、睡眠の質 の 向上にも寄与します。
腸内環境が良好に保たれていると、睡眠ホルモンのメラトニンを作るトリプトファンの生成が促進され、深い眠りにつくことができるのです。
心身の休息効果を高められるため、健康的な生活を送るうえで非常にうれしいメリットといえます。
肌の調子が整うことも、腸活を行うメリットの一つです。
腸内環境が荒れていると、悪玉菌が増えて有害物質が生成され、肌荒れを引き起こします。
腸活を通じて腸内環境が整うと、肌のターンオーバーが促され、ニキビや乾燥、くすみといった肌荒れの改善につながります。
腸活がもたらす効果のなかには、ダイエットの促進も挙げられます。
腸内環境を良好に保つ食生活と習慣を取り入れる腸活は、代謝の上昇や脂肪の蓄積の抑制といった効果がおのずと得られ、ダイエットにつながるのです。
腸活は極端な食事制限の必要がないうえに、太りにくい身体づくりが可能となるため、無理なく健康的な身体を維持しつづけたい方にもおすすめです。
ここからは、腸活と密接に結びつく乳酸菌が、腸活で果たす具体的な役割を見ていきましょう。
発酵食品に含まれる乳酸菌は、善玉菌のエサとなって腸内環境を良好に保つ重要な役割を果たしています。
効果的な腸活に向け、本項では乳酸菌に関する理解をさらに深めていきます。
乳酸菌を摂取すると、以下のような効果を発揮します。
乳酸菌の効果
腸内の細菌は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌の3つに分けられます。
日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のうち優勢となっている菌と同じ働きをする菌のことです。
腸内細菌の理想的な比率は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7とされており、このバランスが崩れると、健康に影響を及ぼします。
乳酸菌は、腸内を弱酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ、善玉菌を増やすはたらきがあるので、この比率を保つのに有用な菌なのです。
また、整腸作用を促す酪酸菌の繁殖と、腸内の蠕動運動もサポートするため、便通を良好にしてくれます。
さらに近年の研究では、乳酸菌が体内でビタミンを産生することもわかりました。
乳酸菌は、摂取するだけで身体にうれしいさまざまな効果が得られるのです。
乳酸菌の1日当たりの推奨摂取量は、100億~1,000億個です。
製品によって異なりますが、食品に置き換えるとヨーグルト100~200g、乳酸菌飲料ならば100~500ml程度の量です。
乳酸菌が腸内に留まるのは2~3日程度なので、毎日摂取することが望ましいといえます。
なお、乳酸菌を多く摂る分には問題ありませんが、食品によっては脂質や糖質、塩分なども同時に摂取することとなるため、過剰摂取にならないよう注意してください。
大切なのは、適切な量を適切な頻度で、継続的に摂取することです。
善玉菌の代表格として挙げられる菌には、乳酸菌のほかにも、ビフィズス菌もあります。
どちらも腸内に住む善玉菌であるため、同じようなものに見られがちですが、学術的には大きな違いがあるのです。
下記の乳酸菌とビフィズス菌の特徴を参考に、比較してみましょう。
乳酸菌とビフィズス菌の特徴
| 乳酸菌 | ビフィズス菌 | |
| 主な代謝物 | 乳酸 | 乳酸・酢酸 |
| 主な生息場所 | 小腸 | 大腸 |
| 主な作用 | 免疫力を増強する | 腸のはたらきを助ける |
特徴を見比べると、似ているようで異なる特徴を持っていることがわかります。
ビフィズス菌が作る酢酸は、悪玉菌を直接攻撃し、腸のバリア機能を高めることから、より強力な整腸作用が期待できます。
両者は相互に作用する善玉菌なので、腸活を行う際は、乳酸菌とあわせてビフィズス菌も摂取するのがおすすめです。
腸活中の食事で乳酸菌を多く摂りたい方には、以下の食品がおすすめです。
乳酸菌を含む食材
どれも手軽に取り入れられる食品ばかりですが、これらの発酵食品に含まれる乳酸菌は熱に弱いため、加熱せずに食すのがよいでしょう。
食事を通して積極的に取り入れたい乳酸菌ですが、以下の食材をあわせると、より高い効果が期待できます。
乳酸菌と相性が良い食材
はちみつに含まれるオリゴ糖や有機酸といった成分は、乳酸菌のエサとなって善玉菌を活性化させる効果があります。
自然由来の糖分なので、砂糖の代わりとして料理に使用するのもよいでしょう。
食物繊維を多く含むきのこや海藻は、乳酸菌の増殖と腸のはたらきをサポートしてくれるため、腸活にぴったりの食材です。
また、バナナやキウイといったフルーツも、善玉菌のエサとなるオリゴ糖を含んでいるので、乳酸菌と一緒に取り入れたいところです。
最後に、快適な腸活をサポートするアレンジレシピをご紹介します。
ご自宅でも乳酸菌をおいしく取り入れられるレシピとなっているので、効果的な腸活を行いたい方は、ぜひ試してみてください。
乳酸菌を摂取できる腸活レシピ
今回ご紹介するなかで、もっとも手軽に作れるのが“はちみつヨーグルト”です。
用意するものも少なく、朝食や小腹が空いたときのおやつにも適しています。
はちみつヨーグルトのレシピ(1人分)
| 用意するもの | 作り方 |
| ・プレーンヨーグルト…100g
・はちみつ…大さじ1 |
1. プレーンヨーグルトを器に入れる
2. はちみつをかけて完成 |
乳酸菌を含むプレーンヨーグルトと、乳酸菌のエサとなるはちみつをあわせたレシピです。
非常にシンプルなアレンジとなっているため、バナナやキウイなどの果物を入れれば、オリゴ糖とハチミツの健康効果が同時に得られます。
香りが引き立つ食材を合わせたアレンジレシピです。
腸活に適した食材を組み合わせつつも、雰囲気のあるおしゃれな料理なので、食事を楽しみながら腸活をしたい方にぴったりです。
スモークサーモンとブルーチーズのはちみつがけのレシピ(4人分)
| 用意するもの | 作り方 |
| ・スモークサーモン…8枚
・パセリ…適量 ・ブルーチーズ…50g ・はちみつ…小さじ1 ・レモン汁…大さじ2 ・塩・黒コショウ…適量 ・オリーブオイル…大さじ2 |
1. ブルーチーズを細かく切る
2. はちみつ、レモン汁、塩・黒コショウ、オリーブオイルを混ぜてドレッシングを作る 3. 器にスモークサーモンとブルーチーズを盛りつける 4. ドレッシングとパセリをかけて完成 |
用意するものはやや多く見えますが、作り方は簡単なので、すぐにでも挑戦できます。
「腸活と食事の楽しさを両立したい!」という欲張りな方にも、きっとご満足いただけるはずです。
サラダの味つけに、“はちみつ味噌だれ”はいかがでしょうか。
いつものドレッシングから置き換えるだけで、サラダが腸活メニューに様変わりします。
はちみつ味噌だれのレシピ(1人分)
| 用意するもの | 作り方 |
| ・はちみつ…大さじ1
・味噌…大さじ2 ・すりごま…大さじ1 ・醤油…小さじ1 |
1. 容器にはちみつと味噌を入れて混ぜる
2. すりごまと醤油を加えてさらに混ぜたら完成 |
味噌の濃厚な味わいと、はちみつのほんのりとした甘さがマッチし、食事が進むこと間違いなしです。
どの野菜とも相性がよいので、お好みの野菜で多様な味わいを楽しめるのも魅力です。
腸活とは、適切な生活習慣で腸内環境を整え、健康的な身体を目指す活動のことです。
具体的な内容として、食品添加物や人工甘味料、アルコールの摂取を抑えつつ、適度な運動と規則正しい生活習慣を取り入れることが挙げられます。
また、食事面では、乳酸菌をはじめとする善玉菌を多く含む食品を積極的に摂取するよう心がけることが大切です。
これにより、腸内の健康状態が良好に保たれ、免疫力の向上や肌荒れの改善、ダイエット効果の促進といったうれしい効果も得られるのです。
乳酸菌を多く含む食品および相性の良い食品を積極的に摂れば、こうした効果をさらに実感できます。
腸活で健康的でキレイな身体を維持し、快適な毎日を送りましょう。