公開日 2026.03.17 更新日 2026.04.03

腸活で注意したい、腸内環境とアルコールの関係とは?

「お酒」と聞くと、なんとなく「腸活中はやめたほうがいいのかな?」というイメージがあるのではないでしょうか。

今回は、腸活するなら知っておきたい、腸内環境とアルコールの関係について解説します。
腸活中の方におすすめのお酒や、腸活と飲酒を両立させるためのポイントなどもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

アルコールが腸内細菌に与える影響

私たちの腸内には100兆個以上もの腸内細菌が住み着いており、それぞれ、善玉菌・悪玉菌・日和見菌と分類されます。
健康な腸内環境を維持するには、善玉菌を増やしつつ、悪玉菌の増殖を抑えることが大切です。
しかし、アルコールによって腸内細菌のバランスが崩れて、体調が悪化してしまうことがあります。

ここからは、アルコールが腸内細菌に与える影響について詳しく解説します。

アルコールが腸内細菌に与える影響

  • 善玉菌の減少・悪玉菌の増加
  • 腸のバリア機能の低下
  • 下痢や便秘
  • 肝機能の低下
  • 大腸がんのリスクの上昇

善玉菌の減少・悪玉菌の増加

アルコールの摂取は、善玉菌を減らして悪玉菌が増えるという、腸内環境の悪化につながる可能性があります。
なぜなら、アルコールや、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドによって腸の粘膜に負担がかかり、善玉菌が育つために必要な環境が損なわれるためです。

その結果、腸内細菌のバランスが崩れて、善玉菌が十分に育たず、悪玉菌が増えやすくなる場合があります。
特に、お酒を頻繁に飲む方の腸内ではこのような傾向がみられます。

腸のバリア機能の低下

上記では「アルコールやアセトアルデヒドによって腸の粘膜に負担がかかる」とお伝えしましたが、それが原因で腸のバリア機能が低下するおそれもあります。

腸の粘膜に傷がついて、細胞と細胞のあいだが広がってしまう状態を“リーキーガット症候群”といいます。
このリーキーガット症候群になると、腸の粘膜のバリア機能が低下してしまうのです。
結果、通常ならば吸収されない未消化物質や毒素などが腸壁をすり抜けて体内に入り込み、慢性的な炎症を引き起こすことがあります。

さらに、近年の研究では高血圧症や脂質異常症、がん、膠原病などの病気までもがリーキーガット症候群と関係していることがわかっています。

下痢や便秘

お酒を飲んだ翌日にお腹の調子が悪くなったことのある方は、多いのではないでしょうか。

実際に、アルコールによって腸内細菌のバランスが崩れると、下痢や便秘を引き起こすことがあります。
特に腸が敏感な方やアルコール分解能力が低い方、つまりお酒に弱い方はこのような傾向があります。

飲酒によるお腹のトラブルが続くと、長期的に腸の健康を損なうことになる可能性があるため、注意が必要です。
過去にお酒を飲んだ翌日に下痢や便秘になった方は、腸活を意識しつつ飲酒量に気を付けましょう。

肝機能の低下

腸内細菌のバランスが崩れることで、肝臓にまで影響が及ぶおそれもあります。
悪玉菌によって生み出される毒素は、“門脈”とよばれる血管の集まりを通じて肝臓に送られてしまうためです。
腸内環境が悪化していると、肝臓に毒素が送られて、肝機能が低下する一因となってしまうということです。

大腸がんのリスクの上昇

お酒の飲み過ぎは、大腸がんのリスクにもつながる可能性があります。

国立がん研究センターの研究では、「1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増える」と推定されています。
結腸がんでも直腸がんでも、同様の傾向がみられるとのことです。

飲酒と発がんの因果関係は明確にはなっていないものの、数値として「お酒と大腸がんは関係がある」と判断できる結果が出ています。

引用元:国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「飲酒と大腸がんリスク」

腸活の観点で避けたいお酒

アルコールは、腸活の大敵であることがわかりました。
上記で紹介したトラブルは、お酒を飲むからといって必ず起きるわけではありませんが、健康的に生きていくためにはやはり適切に控えるのが理想的です。

実は、お酒によっても腸内環境に与える影響の大きさが異なることをご存じでしょうか?
特に以下のお酒は、腸活中の方やお腹のトラブルが多い方は避けることをおすすめします。

腸内への刺激が強いお酒

  • 安価なチューハイ
  • ビール
  • 甘いリキュール
  • 度数が高いお酒

安価なチューハイは、お酒に加えられている人工甘味料や香料、添加物が原因で腸内環境を乱す可能性があります。
また、ビールは大量に摂取すると、麦芽と糖質によってガスを生み出し、お腹が張った感覚につながります。
さらに、甘いリキュールに含まれている糖分は悪玉菌のエサとなり、腸内細菌のバランスを崩しかねません。

上記のほかにも、度数が高いお酒にも注意したいところです。
基本的に、度数が高いお酒ほど体への刺激も強いため、腸内環境にとって刺激となりがちだといえます。

腸内環境に比較的やさしいお酒

アルコールが腸内細菌に悪影響を及ぼすことが多いからといって、腸活中に完全に断酒する必要はありません。
以下のお酒であれば、腸内環境への影響が比較的やさしいため、腸活中の方にもおすすめです。

腸内環境に比較的やさしいお酒

  • 赤ワイン
  • 焼酎
  • 日本酒
  • マッコリ

赤ワイン

赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれており、少量であれば腸内の善玉菌の増加を促すという研究結果もあります。
また、ポリフェノールが腸内細菌に届くことで、抗炎症・抗酸化作用も期待できます。

なお、お酒である以上は大量に摂取するとやはり逆効果となってしまうため、1日1杯(120ml)程度を目安としましょう。

焼酎

焼酎は比較的低カロリーかつ、糖質やプリン体が含まれないという点から、腸活中の方に適しているといえます。

なお、焼酎には、昔ながらの製法で蒸留されている“乙類”と、新しい製法で大量生産されている“甲類”があります。
それぞれ味わいや成分も異なりますが、腸への負担が比較的少ないのは“乙類”です。
乙類は甲類と比べて風味にクセがありますが、人工甘味料や着色料などの添加物を含んでおらずシンプルな成分でできており、胃腸への負担もある程度抑えられます。

日本酒

日本酒には、アミノ酸やオリゴ糖が多く含まれており、同じ分量のほかのお酒と比較すると約2倍ものアミノ酸が含まれているともいわれています。
また、にごり酒(どぶろく)には生きた酵母や乳酸菌が残っている可能性があるため、腸活でプラスにはたらく効果も期待できるでしょう。

なお、日本酒は糖質が多い点には注意が必要です。
飲みすぎないように量をコントロールしましょう。

マッコリ

低カロリーかつ栄養素が豊富で、美容好きな方に人気のマッコリは、腸活中のお酒にもぴったりです。

特に、“生マッコリ”は乳酸菌が豊富で、栄養価も高いといわれています。
たんぱく質や葉酸、クエン酸が含まれているほか、食物繊維も豊富なので、体にやさしいだけでなく腸活をサポートしてくれる効果も期待できます。

腸活と両立してお酒を楽しむためのポイント

せっかくなら、ご自身をいたわる腸活と、お酒の楽しいひとときを両立したいものです。
そこで最後に、腸活中にお酒を楽しむために意識したいポイントをお伝えします。

腸活中の飲酒のポイント

  • 発酵食品を摂る
  • 食物繊維を摂る
  • お酒の量と頻度を意識する

発酵食品を摂る

発酵食品を取り入れた食生活を送ることは、腸活の基本ともいえます。
なぜなら、発酵食品には多くの善玉菌が含まれているためです。

スーパーなどでも簡単に手に入る発酵食品の一例としては、以下の食品が挙げられます。

発酵食品の例

  • ヨーグルト
  • 納豆
  • キムチ
  • ぬか漬け

発酵食品を日々の食事に取り入れるのはもちろん、お酒を飲む際のおつまみとしても選べば、腸活を意識しながらお酒を楽しめるでしょう。

特に便秘が気になる方は、ヨーグルトにはちみつをかけて食べてみてください。

はちみつには、善玉菌を増やして悪玉菌を抑制するはたらきのある、オリゴ糖とグルゴン酸が含まれています。
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が多く含まれているヨーグルトと一緒にはちみつを食べることで、善玉菌を効率的に増やすことにつながるというわけです。
善玉菌が腸の中で優位になると、“ぜん動”(腸の動き)が促されて、お通じが改善されます。

食物繊維を摂る

健康的な腸内環境を維持するには、発酵食品だけでなく食物繊維も取り入れたいところです。
こちらも、日々の食生活やお酒を楽しむときのお料理で意識するとよいでしょう。

豆類や穀類、きのこ、甲殻類などに多く含まれている“不溶性食物繊維”は、水分を含むと膨張する性質によって、便の量を増やしてくれます。
さらに、腸のはたらきを活発にする効果もあるため、便秘にお悩みの方に特におすすめです。

また、海藻やフルーツ、粘り気のある野菜などに多く含まれている“水溶性食物繊維”は、腸内にいる善玉菌のエサとなります。
そのため、積極的に取り入れると善玉菌を育てられます。

お酒の量と頻度を意識する

腸内環境を守るためには、お酒を飲む量と頻度に気を付けることも大切です。
たとえば、「ビールは1日に1缶まで」など、1日の飲酒量を決めることで飲みすぎによる腸内環境へのダメージをある程度抑えられます。
週に2日以上の休肝日を設けるなど、頻度について具体的な線引きを決めるのもよいでしょう。

なお、たとえ決められた量・頻度の範囲内であっても、体調が悪い日やお腹の調子が悪いときは飲酒をお控えください。

腸活中のお酒は、決めた量・頻度の範囲内で楽しみましょう

アルコールは腸内細菌のバランスに悪影響を与えることがあるため、腸活中は注意する必要があります。
とはいえ、腸活中に絶対にお酒を飲んではいけないわけではありません。
適切な量と頻度で楽しみつつ、発酵食品や食物繊維を含んだ食材を取り入れて、腸活を意識するとよいでしょう。

特に、アルコールの影響で善玉菌が育ちにくい環境になることが考えられるため、善玉菌が豊富に含まれている発酵食品は積極的に摂取したいところです。
また、発酵食品と一緒にはちみつを食べることで、善玉菌を増やすサポートをしてくれます。