
デトックスとは、体内の有害物質や老廃物を排出することです。元気な生活を送るために欠かせない健康法であると、近年注目を集めています。
そんなデトックスを行ううえで、切っても切れない関係にあるのが「腸」です。腸内環境を整えることは、デトックスを実施するにあたって非常に重要なのです。
そこで本記事では、デトックスと腸の関係、そして腸活を実施する際のポイントを解説します。
デトックスとは、体内に入り込んだ有害物質や毒素、また新陳代謝の過程で生じた老廃物などを取り除くことです。アルファベット表記だと「detox」であり、これは英語において「解毒」を意味する「detoxification」に由来しています。
なお、アルコールやカフェインといった特定の成分を断つ際にも、「デトックス」というフレーズが使われることがあります。また最近では「デジタルデトックス」という言葉を目にするようにもなってきました。これは、スマートフォンやパソコンといったデジタル機器の使用を避けて、疲労やストレスが溜まらないようにすることを指します。
デトックスで体内から取り除く「有害物質」とは、主に以下のような物質のことを指します。
【デトックスの対象となる有害物質】
こうした有害物質は土壌や海水などに存在しており、食事や屋外での活動などを通じて体内に蓄積されることがあります。
また、上記のような外から入ってくる物質のほかに、アンモニアや硫化水素など、体内で生成される有害物質も存在しています。そういった有害物質を体外に排出し、健康な状態を維持するための方法がデトックスなのです。
体内の有害物質を排出する「デトックス」において、もっとも重要な役割を担う臓器が腸です。なぜなら、腸には老廃物を排出するはたらきがあるためです。
腸内環境が乱れると、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増加し、有害物質が溜まりはじめてしまいます。また、便秘によって便が腸内にとどまることで、有害物質が増加し悪玉菌が増える、ということも起こりえます。
いずれにせよ、腸内環境が乱れると排出されるはずだった有害物質が体内にとどまり、それが原因となって肌荒れや免疫力低下などが生じてしまうわけです。
では、腸内環境の乱れはどのように改善すればよいのでしょうか?
そこで重要となるのが「腸活」です。
腸活とは、食事療法や運動療法などによって、腸内環境を正常に維持しようとする取り組みです。腸活によって腸内環境を整えることができれば、身体にとって不要なものが正常に排出されるようになります。
つまり、効果的にデトックスを行ううえでは、腸活によって腸を正常にはたらかせることが欠かせないのです。
デトックスは、どのようなときに行う必要があるのでしょうか?
一つの目安としては、以下の症状が現れた際には、デトックスを行ったほうがよいと考えられます。
【デトックスが必要なサイン】
これらの症状が続く場合は、体内の有害物質や老廃物がうまく排出されていない可能性があります。「最近調子が良くないかも……」と思われたなら、腸活によるデトックスを行い、有害物質や老廃物を体内から取り除きましょう。
腸活を中心としたデトックスに期待できる健康効果としては、以下の5つが挙げられます。それぞれの詳細を順番に見ていきましょう。
【腸活によるデトックスに期待できる効果】
デトックスを行うことで、身体のむくみを改善できる可能性があります。
そもそも「むくみ」とは、何が原因となって引き起こされるのでしょうか?
その一因として考えられているのが、塩分の過剰摂取です。塩分の濃い食事が習慣化すると、体内にナトリウムが過剰に溜まってしまいます。すると、人間の身体は体内の塩分濃度を下げようとして、水分を溜め込んでしまうのです。
この状態が、いわゆる「むくみ」とよばれるものです。
腸活を通じて食生活の見直しを行い、日々の塩分摂取量を減らせば、身体が水分を溜め込むこともなくなり、むくみが解消されると考えられます。「足や手のむくみが気になる……」とお悩みであれば、食事療法によるデトックスを行ってみましょう。
デトックスの過程で腸内環境が改善されると、免疫力の向上につながる場合があります。
腸は、食べ物を消化して栄養を吸収するほかに、人体の免疫機能を司る機能も担っています。というのも、腸内には人体の免疫細胞の約7割が集まっているのです。この腸による免疫システムのことを、「腸管免疫」とよびます。
腸管免疫を維持してウイルスや病原菌に対抗できる免疫力を身につけるには、腸内環境を整える必要があります。そこで重要となるのが、腸活によるデトックスです。腸内から有害物質や老廃物を排出すれば、腸内細菌のバランスが改善されて免疫細胞が活性化し、免疫力が向上します。
「肌荒れがひどくて困っている……」という場合にも、腸活によるデトックスがおすすめです。なぜなら、腸内環境の状態は、肌環境にも影響を与える可能性があるためです。
腸内環境が乱れて便秘になると、腸内の悪玉菌の数が増加して、そこから産生される有害物質の量も増えてしまいます。そうして増えた有害物質は、腸から吸収されて血液を介して肌に到達し、結果として肌荒れを引き起こしてしまうのです。
デトックスとして腸活を行えば、腸内環境が整って腸内の有害物質が少なくなり、肌トラブルが生じるリスクも減らせる可能性があります。肌荒れが気になる際は、お肌のお手入れだけではなく、腸内のデトックスも行ってみるのがおすすめです。
腸内細菌のバランスが取れている状態になると、脂肪の蓄積が抑えられる場合があります。
また、腸内環境が整うと消化と栄養吸収が活発になり、全身へ栄養が行きわたって各器官の活動が活発になります。それに伴って基礎代謝が上昇し、日常生活で消費されるエネルギーが増えるため、太りにくい体質を目指すことが可能となるのです。
ただし、腸活によるデトックスを行ったからといって、必ず体重が減るわけではありません。太りにくい体質は実現できるかもしれませんが、そこから実際に体重を落とすには、食事制限や運動が別途必要になります。デトックスの一環としてファスティング(断食)を行うことで、一時的に体重が落ちることもありますが、それも一時的なものです。
デトックスはあくまでも「太りにくい体質を目指せる」ものであり、ダイエットとは別物である、ということは理解しておきましょう。
腸内環境が整うと、気持ちを安定させたり、身体のリズムを整えたりする効果が期待できる「セロトニン」というホルモンが分泌されやすくなります。これにより、イライラや不安感が軽減されることで、メンタルの安定につながります。
先にも少し触れましたが、デトックスのための腸活の方法としては以下が挙げられます。
【デトックスのための腸活の方法】
腸活を行ううえでは、毎日の食生活を見直すことが重要となります。栄養バランスの取れた食事を摂ることで、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが保たれて、腸の活動が活発になる可能性があるためです。
食生活を見直すにあたって、特に意識して取り入れたい食品が以下の3種類です。
ヨーグルトやキムチ、納豆、味噌などの発酵食品には、善玉菌を増やすはたらきが期待できます。塩分量には注意したうえで、バランスよく献立に取り入れたいところです。
食物繊維も腸内環境を整えるのに役立つので、積極的に摂取していきましょう。食物繊維を豊富に含む食品としては、野菜や果物、豆類、海藻などが挙げられます。
はちみつやバナナ、玉ねぎといった、オリゴ糖を含む食品を食べるのもおすすめです。オリゴ糖は腸内の善玉菌の餌になり、腸内環境を整えるのに役立ちます。
デトックスのための腸活としては、運動を習慣化することも挙げられます。適度な運動は腸の活動を活発化させ、スムーズな排便を促します。
運動を習慣化するうえで重要なのは、ご自身が無理なく続けられるメニューを選ぶことです。ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの負荷があまりかからないメニューであれば、毎日続けるのも苦にならないでしょう。
起きてすぐの空腹の状態で白湯を飲むと、腸が温められてぜん動運動が活発になり、便が出やすくなります。また、睡眠中に失われた水分も補給できるので、一石二鳥です。
特に準備も必要なくお手軽に始められるので、今日から取り組む腸活としておすすめです。
デトックスのための腸活としては、ファスティング、日本語で言うところの断食も効果的です。食事を一定期間断つと消化器官が休まり、腸内環境が改善される可能性があるためです。
ファスティングは、断食を継続する期間によって以下の3種類に分けられます。
【ファスティングの種類】
ファスティングに初めて挑戦する場合は、プチ断食から始めるのがよいでしょう。いきなり1日断食や3日間の断食に挑戦すると、体調を崩してしまうかもしれません。プチ断食を何度か行い、食べない期間を設けることに慣れてきたら、次の段階へ挑戦することをおすすめします。
もともとの体質や食生活などを考慮して、無理のない範囲で頑張ることが大切です。
夜更かしが習慣化して睡眠不足になってしまうと、腸内細菌のバランスが崩壊する傾向にあることが、近年の研究で明らかになっています。したがって、生活習慣を見直して睡眠の質を高めることも、デトックスを行ううえでの重要な取り組みとなります。
夜にしっかりと眠るためにも、遅い時間に起きないようにする、また日中に適度な運動をすることなどを普段の生活のなかで意識しましょう。また、寝る前にスマートフォンやパソコンを見るのを避けたり、ストレッチによって身体をリラックスさせたりすることも大切です。
水分を毎日しっかり補給すると、腸のはたらきが活発になり、腸内の有害物質や老廃物をスムーズに排出できるようになります。
普通の水を飲むだけでも効果が期待できますが、ハーブティーを飲むのもおすすめです。たとえばルイボスティーには、整腸作用が期待できるポリフェノールやマグネシウムが含まれており、便秘を改善できる可能性があります。
また、ハーブティーを飲む際に甘味料としてはちみつを混ぜれば、善玉菌の餌になるオリゴ糖もあわせて摂取できます。
サプリメントや整腸薬を活用して、酪酸菌や乳酸菌、ビフィズス菌といった善玉菌を摂取するのも一つの手です。特に酪酸菌は食品にはあまり含まれていないため、サプリメントを活用して摂取するのがよいでしょう。
便秘でお悩みの際に腸活を行う際は、便秘のタイプに合わせて意識する点を変えることが重要となります。
【〈便秘のタイプ別〉腸活のポイント】
日々のストレスが原因となって自律神経が乱れると、腸の活動が鈍くなり便秘になることがあります。
この場合は、食生活を変えて発酵食品や食物繊維の摂取量を増やすよりも、生活のリズムを整えてストレスを減らすことに意識を向けましょう。毎朝同じ時間に起きる、また夜更かしするのをやめるといった点を意識して生活することが、ストレスの軽減、さらには便秘の解消につながります。
腸のぜん動運動が弱くなっていることで、排便がスムーズに行われなくなってしまうパターンもあります。「便の回数が少ない」「便が硬い」「お腹が張る」といった状態が続く場合は、このパターンであると考えられます。
腸のぜん動運動を活発化するうえでは、ここまでに紹介した腸活の取り組みを、バランスよく実施することが重要です。「食物繊維が豊富な食事を心がける」「散歩やストレッチなどを習慣的に行う」「水分をしっかりと摂る」といった取り組みを継続すれば、ぜん動運動は活発化するでしょう。
便意があっても忙しくて我慢したり、外出先で排便するのを避けたりすることが多い人は、便意を感じにくくなってしまいます。そうなると、排出されなかった便が直腸へ徐々に溜まり、便秘を引き起こしてしまうことがあるのです。
このタイプの便秘でお悩みであれば、とにかく便意を逃さないようにすることを意識しましょう。また、排便する際の姿勢を見直すことも大切です。無理せずいきむことができる姿勢を維持すれば、自然と排便できるようになる可能性があります。
腸活を通じたデトックスを行うことで、腸内環境が整い、免疫力が向上するといったメリットを得られる可能性があることは、ここまでに説明してきた通りです。しかし、だからといって過剰なまでにデトックスを意識することは、おすすめできません。
たとえば、ファスティングを何日間も続けたり、短時間のうちに水分を摂り過ぎたりすると、栄養失調や電解質異常、強い下痢などの症状が生じてしまうおそれがあります。行き過ぎたデトックスは、かえって健康を害してしまうのです。
そもそも人体には、有害物質や老廃物を体外へ排出したり、毒性を弱めたりする機能がもとから備わっています。デトックスはあくまでも、そうした身体の本来の機能をサポートするための取り組みであると考えましょう。
ご自身の今の身体の状態や生活リズムに合わせて、無理なくデトックスに取り組むことが大切です。
デトックスとは、体外から入り込んだ有害物質や、体内で生成された老廃物を排出することです。実施することで、むくみの改善や免疫力の向上といった効果を得られる可能性があります。
そんなデトックスを行う際には、腸活によって腸内環境を整えることが非常に重要となります。腸が活発に活動するようになれば、身体に不要なものが正常に排出されるようになるためです。
腸活の具体例としては、食生活を見直したり、運動を習慣化したりすることが挙げられます。また、ファスティングやこまめな水分補給なども効果的です。
ご自身の生活習慣や体質などを考慮して、無理のない範囲で取り組んでいきましょう。